コンサルティング部門
2020年入社(キャリア)

田原 幹久

大学卒業後、地方自治体にて市民対応業務に従事していた中で、データ分析やAIに関心を持ち情報収集・技術習得を開始。友人からの紹介でLTSに入社。入社時より、データ分析領域の業務を担当。現在はPMとしてLLM(大規模言語モデル)のビジネス利活用に向けたコンサル支援・研究開発を行っている。

AI時代のコンサルタントが大切にしている3つの心得

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私が所属しているConsulting事業本部データ分析事業部(現戦略コンサルティング事業本部 Data & Technology Consulting事業部)では、研究開発およびコンサルティングに重点を置いた案件の対応をメインとしています。クライアントの課題に対し、生成AIを活用した革新的なソリューションを提案し、その実現に向けたプロジェクトのご支援を行います。
また、実証実験の結果を実際の業務に適用し運用化を目指すようなケースでは、自部署だけではなく、デジタルに強みを持つ他部門とも連携し、LTSとしてシステム開発まで対応できるような体制を取っています。

事業部には現在約20名のメンバーが在籍しており、私は生成AIのサービスリードとしてLLMのビジネス活用に向けたコンサルティング支援および研究開発のプロジェクトにおいて、PMとして複数案件を担当しています。事業部で生成AI関連業務に従事しているのは10名弱のため、各プロジェクトは少数精鋭のチーム単位で進行している状況です。
具体的な案件の例としては、大手製造業様の生成AI統合プロジェクトにて最新の研究論文を精査しながら、独自のAIモデルの開発・実装・検証を行ったり、エネルギー関連企業様向けには文書管理におけるAI活用の実証実験等を進めたりしています。

コンサルタントとして仕事をする上で、私は3つのことを大切にしています。
第一に、コンサルタントとしてのプロフェッショナリズムです。単なる情報提供ではなく、プロフェッショナルとしてクライアントに対して価値提供を行えているか、常に意識をして業務を行っています。
第二に、好奇心を重視することです。生成AIやLLMといった、急速に進化する技術分野において、常にアンテナを張り、新しい可能性を探求することが自身の成長に欠かせません。これまでも、興味のあった自然言語処理の分野に対して早期から取り組んだことで、他の方に比べると強い専門性を獲得することができたのだと思います。今後も関心のある事項に対する情報収集を積極的に行っていきたいと思います。
最後に、没頭する姿勢を大切にしています。データ分析領域における技術革新の速さを考慮すると、短期間かつ集中して知識を吸収することが求められます。特に生成AI分野では、基礎的なものから高度なものまで幅広い課題にアプローチし、全体像を把握することが必要です。いかに短期間で多岐にわたる情報を取り込むことができるか、それは没頭する姿勢があってこそ果たせることで、めまぐるしく変化する環境への適応力と深い理解を得ることに繋がると考えています。

 

公務員からデータ分析の最前線に・・・ひたすら経験を積んだ日々

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私は公務員としてキャリアをスタートしましたが、定期的な部署異動があるためスキルの蓄積が難しく、成長実感をすぐには得にくいことにもどかしさを感じていました。
この状況を打開するため、2年目の夏から転職を視野に入れ、約半年、主に動画学習サービスを通じてデータ分析とAIの分野でスキルアップに取り組みました。結果、応用情報技術者試験に合格する等、徐々にではありますが知識を形にしていくことができたように思います。

そしていよいよデータ分析領域での転職をしようと活動していたところ、LTSに勤務していた大学時代の友人が「うちの会社はどう?」と声をかけてくれました。実はコンサルタントという職種に関心が高いわけではなかったのですが、選考面談で、データ分析事業においてメンバーはコンサルタントとしての役割も担いつつ、提案から実装までを一貫して行っている、と聞き強く惹かれたのを覚えています。大変そうではあるけれど、1人で幅広く業務に関わることができるのは楽しそうだと感じたのです。その大変な仕事にチャレンジしたいと思い、入社を決意しました。

入社後は、総合商社向けのデータ分析プロジェクトに参加、財務諸表分析アプリケーション開発等の支援に携わりました。そこで直面したのは、コンサルタントに求められるスキルセットとのギャップです。当時の私には自己学習で獲得したエンジニアリングの知識しかなく、クライアントニーズのヒアリングを始めとしたコンサルタントとしての基本スキルを持っていなかったため、非常に苦労しました。
この困難を乗り越えるには、とにかく経験を積むしかありませんでした。プロジェクトを進めつつ、先輩からのフィードバックを積極的に求めて行動に反映していくことを繰り返し実施。さらに、クライアントとの良好な関係性があったおかげで、クライアントの社員の方からも指導を受ける機会に恵まれ、コンサルタントとして大きく成長することができました。

そして入社2年目、ぜひとも携わりたいと願っていた、プレスリリースもされている花王様の自動棚割りアルゴリズム開発プロジェクトに参画しました。このプロジェクトは、エンジニアとしての知見も活かすことができ、また私が強く関心を持っていた最適化技術領域の案件で、このプロジェクトに入りたい、という思いを定期的に実施しているキャリア面談で伝えていました。その意向を汲んで、プロジェクトが拡張されるタイミングでアサインしてもらうことができたのです。
このプロジェクトは、念願叶ってのものだったので、やりがいを感じて業務を行っていたのですが、途中でアルゴリズムを数理最適化ベースのものに全面的に変更する、という想定外の状況が発生しました。文系出身の私にとって、完全に未知で苦手意識を持っていた領域です。
だからといって諦めるわけにはいきません。
見たこともない記号だらけの難解な論文を読み解くために、約1カ月間、数理最適化に精通した先輩の指導を仰ぎ、週末も利用して集中的に学習し、必要なスキルの獲得に努め、なんとか無事に対応を終えることができました。
苦手な領域に対して短期間でスキルアップする必要がある、という環境はもちろん大変ではあったのですが、不思議と精神的苦痛は全くありませんでした。むしろ、キャリアを確立する上で重要なターニングポイントになったと感じていますし、最終的には面白さを感じ、自信にも繋がったと思います。

 

苦手の克服が飛躍のきっかけに 学習環境と実践の場が育んだコンサルタントの地力

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入社時点ではIT領域での業務未経験だった私が、プロジェクトで活躍できるようになった背景には、社内に学習する環境があったことが大きいと思います。
私たちの事業部では、最新技術のキャッチアップが常に必要であるため、各自が読んできた論文を持ち回りで発表し議論する「ランチ論文会」や、各自の数カ月の研究成果を発表する「R&D研究会」等知識を深め、共有する自主的な機会が設けられています。1人で学習を続けるのは簡単ではありませんから、こうした場があったおかげで、学びへの意欲を維持することができました。
また、自身のレベルアップのため「プロジェクトを自分でコントロールできるようになりたい」と考え、上司に相談したところ、その翌日からプロジェクトのリード(PL)を任されることになりました。想定外のスピードで、突然抜擢いただいたことに戸惑いましたが、「任せていただいたからには」と前向きに捉え、プロジェクトの計画立案や定例会の運営等の業務にもチャレンジしていきました。

それまではタスクを進めることを中心に業務を行っていましたが、PLになってからはプロジェクト全体を俯瞰し、クライアントのニーズや成果創出のプロセスを意識するようになりました。この経験は、私のキャリアにおいて非常に重要なステップになったと思います。
一方で、苦労したのがコンサルティング業務です。もともと対人関係を得意としていたわけではなかったため、プロジェクトを代表するPLの立場で、クライアントとのハイレベルなコミュニケーションを行うことができるのか、不安を抱えていました。
上司に相談したところ、「勉強で身に付くものではない、覚悟を持って慣れるしかない」との助言が。その助言を信じて、時には失敗もしながらも、まずは3カ月頑張る、そこから振り返りをしてまたさらに3カ月頑張る、そういったサイクルを意識して業務に取り組みました。
その鍛錬の期間を経て、今ではクライアントのビジネス課題に真に寄与する解決策を提案するコンサルタントとしての素養が身に付いたと実感しています。

 

自由な挑戦が可能な環境で、自分の夢を叶えたい

私の夢は、汎用人工知能(AGI)を開発することです。LTSで仕事をしていて、この夢に着実に近づいている実感があります。
目指しているのは、無駄な作業を排除し、人々がやりたいと思っている仕事に打ち込める環境を実現すること。AIが煩雑な業務を代行し、人間がより高次元の創造的なタスクに集中できる世界をつくるために、これからも研究と支援活動を続けていきたいです。
社員の挑戦を支援する文化が根づくLTSであれば、このビジョンの実現が可能だと思っています。先日開催された事業本部のワークショップでも、多くの社員が「LTSは自分のやりたいことを聞いてくれる・やらせてくれる」と話していました。もちろん、業務成果や業績と全く何の関係もないところでは周囲の賛同を得ることは難しいので、しっかりと自己実現に向けて主体的に動いていく必要はありますが、こうした文化はチャレンジしたいことを持っている人にとって、ありがたい環境ではないでしょうか。
実際、チームメンバーが研究活動の一環として外部のコンペティションに参加するために「稼働時間の30%をこの活動に充てたい」と申し出たことがあったのですが、その要望も承認され、会社が全面的にサポートしてくれました。
そういった文化・社風の中で、LTSもどんどん事業規模を拡大していますが、これからさらに共に歩んでくれる仲間を増やしていきたいと思っています。私たちが求めるのは成長意欲が旺盛な人財です。データ分析という切り口では技術にのみ目が向きがちですが、それだけが重要ではなく、高いモチベーションと情熱、機動性を持った、向上心に溢れた方と一緒に切磋琢磨しながら成長していければ、と思っています。

 

※ 記載内容は2024年8月時点のものです。